
床ずれは、医学用語では『褥瘡』と言います。『褥』は布団、『瘡』は“きず” という意味の漢字で、『布団で出来る“きず”』という意味です。 病気になって何日も布団の上で同じ姿勢で寝ていると、ずっと同じ所に圧力が掛かり、血液の流れが悪くなって、皮膚や筋肉が傷んでしまいます。 最初は皮膚が赤くなり、水ぶくれが出来、破れて傷になります。これが褥瘡です。 更に酷くなると、皮膚や筋肉が壊死して真っ黒になったり、傷が深く骨が見えてしまったりして、治るまで時間がかかってしまいます。 小さなお子さんやお年寄りなど、皮膚が弱い方たちは褥瘡が出来やすいといわれています。
当院に入院された患者さんには全員、『どれだけ褥瘡ができやすい状態なのか?』ということを、看護師が以下の判定項目について判定します。
| 判定項目 | |
|---|---|
| 自分で体の向きを変えられるか | |
| 痩せて骨が突き出ていないか(特に腰のあたり) | |
| 栄養状態は悪くはないか | |
| 関節が固まってしまって、動かなくなっていないか | |
| 体がむくんでいないか | |
| オムツ使用などで、皮膚が常に湿った状態になってはいないか | |
これらの判定を点数化することで、褥瘡のできやすさがわかります。褥瘡が出来やすい方だと判断されたら、 スキンケアをこまめに行い、一定時間ごとに体の向きを変えたり、除圧マットや医療用クッションを使用するなどして褥瘡予防に努めます。
皮膚を健康な状態に保つため、皮膚を清潔に保ち乾燥しすぎない様に保湿剤を塗布します。褥瘡ができやすい部位には特に注意して観察と保湿を行います。
【体位変換】
定期的に体の向きを変えることで、同じ部位への圧迫を避けることができます。圧が一箇所にかかる場合はクッションを用いて除圧を行います。
【体圧分散寝具】
ウレタンマットやエアーマットを患者さんの状態に合わせて使用しています。
特に自分で寝返りができない患者さんには、圧切り替え型のエアーマットを使用し、除圧を行っています。
褥瘡予防に最善を尽くしても褥瘡が発生したり、入院前からすでに褥瘡が形成されていたりする患者さんに対しては、当院では各専門職により構成された『褥瘡対策チーム』が介入し、褥瘡の改善に向けた医療を実践しています。
褥瘡回診は2週間に1度実施しており、患者さんの状態を継続的に確認しています。また、褥瘡委員会を月に1回開催し、専門職間で情報共有や治療方針の検討を行い、より質の高いケアを目指しています。
褥瘡が治るには、皮膚や筋肉に十分な栄養を行き渡らせることが重要で、必要な栄養素をバランス良く取れるよう栄養士が介入し、患者さんの状態に合わせて食事内容や食事摂取方法を工夫しています。
【軟膏治療】
褥瘡に軟膏を塗布し、適切な湿潤環境にすることで肉芽形成を促します。感染がある場合には、創部をしっかり洗浄し、感染制御作用のある軟膏を使用します。時間と共に変化する傷の状態を見ながら軟膏の使い分けを行っています。
【外科的治療】
壊死した組織は創傷治癒が遅延したり、感染を引き起こしたりする原因となるため、壊死組織の除去(デブリードマン)を行います。
【持続陰圧閉鎖療法】
創傷が大きい時には、持続的に陰圧をかけて肉芽形成を促します。